トリプルの構築の組み方 意識していること

よくトリプルをはじめるにあたってどうPTを組んでいいかわからない、という声を耳にするので私なりのですがトリプルのPTの組み方を解説します。
実際の例がある方がわかりやすいと思うのでこのPT(http://d.hatena.ne.jp/pamela_emuritto/20120729/1343542003)の作成過程を例としてあげていきます。
                                   

1.軸となるポケモンを決める
どのルールでも共通ですね まずは自分が使いたいと思ったポケモンを入れます。いわゆるエース、思いっきり強いポケモンを選びましょう。
大体の場合は1匹の使いたいポケモンがいたらそのポケモンと相性補完がよかったり技や特性の組み合わせで強力なコンボができたりする相方も自然にでてくるのでここでまず2匹決まります。
例)天候要素が獲得でき圧倒的種族値の文句なし強力ポケモンバンギラスを採用。バンギラスと相性補完がよく強力な特性威嚇が獲得でき種族値も高い霊獣ランドロスを採用。

2.軸の補完、補強
1で決めた軸を補強していきます。2匹だけではあらゆるポケモンに対応できるほどの相性補完や強力なコンボには成り得ないので3匹、4匹と積み重ねる。
相性補完であれば3.4匹いれば綺麗なサイクルを作ることもでき、コンボであれば3匹がかりの大仕掛や相手のコンボの妨害を阻止する役が使えますね。
例)一貫していた水草岩龍に耐性を持つナットレイを採用。3匹が一貫している氷、2匹が弱点とする水格闘に耐性を持ち低速組と相性のいいトリルを使えるヤドキングを採用。

3.(できるだけ相性補完、攻撃範囲を良い物にすることを目指しつつ)強力な組み合わせに対策を立てる
ここがとても大切です。というか1と2は大体どのルールでもぶっちゃけ当たり前のことですしポケモンの基本ですねw
トリプルのPTをどう組んだらいいかわからないという人はおそらくここで壁にぶつかるんだと思います。なのでここは詳しく書いていきます。

お互いが単純に攻撃技だけで殴りあうだけなら普通に考えて相性補完、種族値などの要素が相手より上回っている側が有利でしょう。あまりコンボなどの要素がうまれないシングルではこの傾向がよく出ていますね。
しかしトリプルでは1ターンに3匹が動ける為コンボが非常に多彩かつ強力なモノも多数あります。これらは時にタイプ相性や種族値差すらも覆します。
そんなにコンボが強いなら相性補完や種族値など無視してコンボに特化すればいいじゃないか、となるかもしれませんが相手もコンボ対策をしてくるのは当然ですし、
対策抜きでも純粋なタイプ相性の問題などでコンボの並びが取れなかったりすることも頻繁に起きるのでそういう時のためにも相性補完や種族値は大切です。
なのですべてとはいきませんが使用率の高い=強力な組み合わせぐらいは事前に把握し、それらに構築段階で回答を出しながら相性補完や種族値を高い水準にするのが理想。

そして私が例のPTで選んだこの枠の2匹はラティアスハッサム。相性補完、種族値は高い水準の選択ができたと思う。ここから対策の為に必要な技や持ち物を見極めます。
ではトリプルに強力な組み合わせを紹介しながら例のPTならどう対処するか、例以外にもその組み合わせにはどのような対策が有効かを書いていきます。
上の方にあるやつほど要注意だと思っている組み合わせとなっています。


・ふくろだたき+せいぎのこころ

言わずと知れたお手軽超強力コンボ。初手に並べて味方のテラキに袋叩きを打つだけでAが6段階上がる。明らかに火力がおかしい、雪崩の怯みも考えて構築段階の対策として半減やタスキで一発受けてから返しで倒そうと考えるのはあまりよろしくない。
テラキを上から縛っていても守る追い風をされると次のターンには縛り返されるのでそこまでぐらいは見越した対策が必須。
ほとんどエルフテラキは固定、もう1枠にキッスかマニュかシャンデラ、他にもカポやトルネ、ラティなどがたまに出てくる。

対策
基本的にはテラキオンを上から縛れる、猫騙し持ち、この指怒りの粉持ち、この要素のどれかを持つポケモンを両端に置き中央のポケモンで追い風に対抗できるS操作技を打つことが多い。
両端に配置するのは中央、右側とテラキを止めれるポケモンを出しても右にキッスがくると両方がこの指で吸われてテラキが止まらない為。この指使いがいなければ中央もあり。
テラキを止めている間に叩き役を倒そうとせずS操作をかけるのは叩き役はタスキを持っている事がほとんどでこちらが猫騙しを使う場合は一旦守られる可能性も高い、たとえ叩き役が動いてきても
猫や指役がいる中でタスキ込で落とそうとするのはかなり難しいのもあるといったところから。
シャンデラはテラキの苦手なトリルを封印するかエルフの晴れとのシナジーでテラキが落ちた時用の二枚目のエースかの2パターンがある。

例)アスとハッサムを両端に置いてキッス(この指)やマニュ(猫騙し)と逆サイドに立った方がバレパンかサイキネでテラキを縛り中央ヤドキングでトリルを選択。
   シャンデラが出てきた場合はトリルを封印される可能性がある。ハッサム前にシャンデラならバレパンをテラキに打ちながらヤドキングとアスでエルフに集中、
   ハッサムと逆サイドにシャンデラなら蜻蛉をエルフに打ちアスでテラキにサイキネ、ヤドキングは封印されてもいいのでトリルを選択しておく。

汎用性を落とさずに組み込める対策に便利なポケモン

ルカリオ・・・精神力で怯まない為、中央でこの指するだけで相手の叩きを許さない。一応マニュのけたぐり急所やスカシャン用にタスキを持ってるが無くても基本的に大丈夫。
トゲキッス・・・スカーフで125族を抜いて中央でこの指。マニュの怜パンぐらいなら耐えるがジュエル持ってると崩れるので威嚇などと合わせると安心感アップ。
ウルガモス・・・キッスと同じくスカーフで相手の猫より先に中央で怒りの粉。
コジョンド・・・精神力で怯まない、80族より早い猫騙し持ち。叩きパのトゲキッスは基本的にオボン、ないしラムなので好きな場所に置いてテラキに猫騙し。


・トノグドラルンパ

コンボなどでは無いが単純に強い並び。高速高火力、良耐性のポケモンがいきなり並ぶ。バンギドリュウズ+α、ノオーフロスト+αと違いルンパッパというエース兼超高速猫騙し役が誕生するためこちらの対策ポケモン猫騙しで止められやすいのが非常にめんどくさい。
トリパ耐性がつき滅びの歌とのシナジーがあり、何より天候が取りやすくなるのでニョロトノは鉄球を持っていることが多く、これを前提に対策しなければならない。
同じくキングドラも火力強化アイテム持ちがほとんどであり命の珠を前提に、余裕があれば拘りメガネまで想定したい。

対策
天候を変えるのが一番楽。雨下だと半減だろうが余裕でゴリ押してくる。次点で追い風やトリル、電磁波などのS操作だがこれを行うには基本的に雨下の水技を一回被弾しないといけないのでできるポケモンは限られている上にできてもダメージが痛い。

例)バンギラスヤドキングラティアスと投げる。相手が鉄球トノでもこちらは鉄球バンギなので天候は砂になる。後はバンギを次の天候塗り替えのためにナットレイに交代し、
  ヤドキングはトリル、アスは龍波をキングドラに。猫でアスが止められたらトリルが決まるしヤドキングが止められてもキングドラは動けないので被害は少ない。

汎用性を落とさずに組み込める対策に便利なポケモン

バンギラス・・・鉄球を持つことで初手で天候が取れる。鉄球ノオーもいいがバンギと違い投げつけるや役割範囲の差で汎用性が落ちていると思ったのでここには書かない。
ヤミラミ・・・猫騙しを受けない悪戯心日本晴れ使い。晴らせばとても楽になるのは言うまでもない。
キュウコン・・・こちらは交代出しになるが相手の猫騙しに妨害されず天候を晴れにできる。ただコイツ自体は水を等倍で受けるわけなのでそれなりに痛い後出しになる。
ユキノオー・・・こちらも後出しで天候を書き換える。晴れと違い水の威力を下げることは出来ないがユキノオー自体が水ポケモンにとても強いのが非常にいい。
ナットレイ・・・相手の攻撃をことごとく半減する。が、雨状態で火力補正アイテムや手助けのついた水技は半減だろうが厳しいのでやはり天候を変えるのが安全。


・晴れ+スカーフシャンデラ

トップクラスの特攻を持ち、猫騙しが効かないシャンデラにスカーフを持たせ更に晴れで決定力をあげる組み合わせ。晴れ熱風ゴリ押しは強く、前述のトノグドラルンパにも初手シャンデラを敢行できるレベルである。
画像の並びは考察段階で考えられる最強クラスの並びにしておいたが実際はどれか1匹ぐらいPTにいないものなのでもう少し楽かもしれない。
シャンデラはまず熱風を打つ。
カポエラー猫騙しでデラの障害になるやつを止めるorワイガでデラを守るorフェイントで相手の守るワイガを崩すor手助けorキュウコンに交代ぐらいの択がある。
ヤミラミ猫騙し、フェイント、日本晴れ、よこどり、シャンデラに鬼火など択が多い。

対策
これも天候を変えるのが楽なのだがトノグドラルンパと違い後出しキュウコンや悪戯心からの日本晴れなど天候を奪うのが非常に難しい。代わりにシャンデラ以外はあまり火力がないので炎半減以下を並べて全力でシャンデラに集中するのが得策。

例)ヤドキングバンギラスラティアスを並べて、ヤドキングはトリルを選択してバンギとアスで噛み砕く流星のシャンデラ集中。一発は熱風ないしシャドボをもらってしまうが
  止めようが無いので一回受けてからシャンデラの処理かトリルを通す形になる。

汎用性を落とさずに組み込める対策に便利なポケモン

シャンデラ・・・猫無効、シャドボを打たれてもタスキで耐えるしシャンデラを一撃で倒せる打点がある。炎無効で半減にもゴリ押しが効く熱風の選択を渋らせるのも強い。
サザンドラ・・・炎霊半減の600族、かつシャンデラより早い悪なのでスカーフを持てばスカシャンを縛れる。スカーフで無くても耐久に振ったモノもよいだろう
ヒードラン・・・炎無効霊半減のシャンデラにくそ強いポケモン。しかし技スペが余るスカシャンはめざ地を持つこともしばしばで、こちらの大地や悪波では確一を取れない。
弱点が割と多いのでこの他のポケモンでも半減で受けながら弱点を付けばなんとかなったりするがその半減一発を受ける際に4〜5割程度持っていかれるのでやはり凶悪。


・ジュエル大爆発

強烈な威力をもつ全体技大爆発。中でもメタグロスは威嚇が効かないため爆破を通されるとほとんどのノーマル等倍ポケモンは吹っ飛んでしまう。
爆発の並びなんて両端が守るだけでも成立するのでここでも構築段階で考えうるめんどくさい並びを紹介。
発想としては前述のカポシャンヤミラミのような感じで両端のカポドーがグロスをサポートしながら爆発を通していく事になる。
初見だとまわりにゴーストポケやテレパシー持ちはいないので爆発を警戒できなかったりすることもある危険な並び。
カポエラー猫騙しフェイントワイガ、ドーブルの技想定はなかなか難しい話だがこの場合は猫騙しキノコのほうしワイガこの指あたりを想定。
どちらかがワイドガードを打ち爆発の巻き込みとグロスの苦手な熱風地震あたりをガードしつつ、ワイガを打たなかった方がフェイントや猫で相手の対策を崩し、中央で爆破。

対策
猫騙しやワイドガードがあれば相手も対策しているとはいえいくらか楽になる。純粋にノーマルの通りを悪くしておけばそれも楽になる要素。半減でもごっそりいくがw
ノーマル技はほとんど使われないといって一貫させていると爆破に怯えるハメになるのでちゃんと補完しておきましょう。

例)ヤドキングラティアスランドロスと投げて一応爆発を釣ってみる。ヤドキングをバンギに、アスをナットに交代してランド守るで爆発してもらえると一番嬉しい。
   爆発しないとしてもコメパンはランドかナットに飛ぶはずなので被害は少なく、ドーブルの胞子を受ける可能性はあるがとりあえず砂を撒くことでタスキを潰せる。

汎用性を落とさずに組み込める対策に便利なポケモン

ブルンゲル・・・爆発無効で鋼半減、トリルも使える。ラムで胞子もカバーし、この並び以外にもよくある雨+爆破グロスのような並びにもとても強い。
シャンデラ・・・同じく爆破無効で鋼半減、こちらは鋼に弱点がつけS種族値ドーブルより高い。身代わりを持つと強いポケモンであり、この並びには安定択になる。



・滅び

これにいたっては並びというかPT全員がかりのコンボ。割と有名だと思いますが一応流れの説明。
ムウマージが滅び歌ってカポエラーはめんどい奴に猫いれてサマヨがトリル。カポが脱出ボタンなのでこのターンに殴られたら後ろからソーナンスが出てきて交代を封じられます。
そこからはアンコ+金縛りのコンボで相手のめんどくさいポケを悪あがきで固定したり甘えるや壁、フレガで3匹滅ばせるまで粘り、もう一度滅びの歌を歌って逃げ切るPTです。

対策
蜻蛉ボルチェンや悪戯心挑発全般、スキルスワップによる影踏みの強奪、なやみのタネや胃液での影踏みかき消しに味方にほえるなどで対策が可能です。
純粋に高火力全体技、悪技などもあると楽になります。対策不十分だと勝率が限りなく0に近いので十分気をつけましょう。

例)初手はバンギを砂ダメのために出してハッサムに交代、中央ラティアスでサマヨにトリック打つって後はハッサムとランドの蜻蛉で1度に3匹滅ぶのを避けながら適当に殴る。

汎用性を落とさずに組み込める対策に便利なポケモン

ヤミラミ・・・猫騙しの効かない悪戯心挑発持ち。マージかプリンがメンハ持ったり、滅び使いが守るからのサマヨで挑発金縛りなどもあるがコイツ1匹で相当有利



他にも強力なコンボはありますが、使用率が低い=コンボ成功率が高くない、またタイプ相性や種族値でまだなんとかなるレベルのものということで割愛。

ちなみに例のPTはこの段階でテラキオンを縛るためアスハッサムがメガネハチマキ、バンギも対鉄球トノ用に鉄球を、ランドは爆破グロスを縛る為地面ジュエルが決定。
ヤドキングには対雨と対晴れでより長持ちするようにオボンを、ナットレイにも対雨性能向上の残飯と持ち物がすべて決まった。


4.重すぎるポケモンが存在しないか
最終段階。ここも他のルールと同じですね。しかしトリプルでは他のルールに比べより重要です。シングルなら3匹選出、ダブルローテなら4匹選出ですがトリプルは6匹選出。
例えばガブリアスに勝ち目がないポケモンが4匹、ガブリアスに負ける要素がないポケモンが2匹のPTがあったとしてガブリアス入のPTにシングルで当たった時、
ガブリアスに負ける要素が無いポケモンをどちらも選出すれば(選出を読まれやすいなどのデメリットはあるが)対ガブリアスにおいて足を引っ張るポケモンは1匹で済みます
これがトリプルだと全部選出する事になり、対ガブリアスで4匹がもろに足を引っ張ります。ガブリアス以外にもまわりに色々いる中、2匹だけでガブリアスの処理をするのは非常に難しいです。

ではどうするかですが、私は重くなりがちなポケモンに対して有効打がないポケモンをPT内で4匹以上にしないことを目標にしています。

有効打がないというのは非常に良くないことです。例えばトルネロスの先制ジュエルバットで4匹が確定一発なPTでも、トリプルならS操作が豊富なので縛り返せるパターンがあったり、
トルネロスが交代際に出てきたら普段は手が出ないポケモンでもダメージを入れれるし、極端な話ジュエルバットで死ぬ3匹を場に並べても全員でトルネロスに集中すれば倒すことができるでしょう。
しかし有効打がないポケモンが4匹のPTはこれとはわけが違います。S操作をしようが、交代際に攻撃をしようが、全員で集中してもどうしようもないです。
S上位を取られることからくる重さももちろんですが、有効打が無いことからくる重さは6匹選出のトリプルにおいて構築以外でカバーが効きづらいので非常に大切です。

この段階で余った技スペにめざパや普通あまり採用しないような技を入れて重いポケモンに対しての有効打を増やしましょう。
例のPTで言うとハッサムの馬鹿力や燕返しヤドキングの熱湯(火炎放射)あたりになります。これで完成。


個人的に有効打が少なくなりがちなポケモンをまとめました 上の列にいるやつほどやっかいなポケモン




何かわからない点や質問があればコメントしてもらえれば答えます。
長々と書きましたがここまで読んでくれた方はありがとうございました。少しでも参考になれば幸いです。